水没車の定義
近年はゲリラ豪雨や気候が不安定なせいで降水量が多く川が氾濫して洪水が起こることが珍しくありません。
洪水が起こり、車が水に浸って、水没車として廃車になることもあります。
私たちが思っている水没車と定義上の水没車には違いがあることを知っていましたか?
水没車とは
水没車の定義って何?と考えたときに明確な答えがわからない人が多いと思います。
私たちが思う水没車は車の屋根付近まで水に浸かっている状態のことを水没車と考えているはずです。
しかし、日本自動車査定協会で定めている水没車の定義では「室内フロア以上に浸水した車」または「浸水の痕跡が複数確認される車」とされています。
室内フロアに水が浸水したくらいで水没車として定義されるのはおかしい!と思ってしまいますがこれにはしっかりとした理由があります。
室内に水が浸水=水没車
車はある程度の浸水に耐えられるようにできているので、室内フロアに水が浸水したくらいで「水没車」と判定するのはおかしいと思ってしまいますよね。
でも、車の室内に水が浸水することは生活排水や泥などで汚れた水が車に進入しているということです。
汚れた水で濡れた車内はカビや細菌の繁殖の場所になってしまい悪臭が発生する原因になります。
この悪臭を完全に取り除くにはクリーニングが必要になり業者へ支払う費用は10数万円くらいかかってしまいます。
マフラーに水が入ってしまうと
マフラーは室内フロアよりも下についているので、車内が浸水している状態ならばマフラーにも水が入っている状態です。
マフラーが水に浸かっている状態が長く続くとその水がマフラーからエンジンまで浸入してエンジンが故障してしまいます。
そうなると新しいエンジンを載せ替える必要が出てきます。
そこまで行くと修理費を考えれば、新しい車を買った方が良いという判断に至ります。
パーツなどの劣化
車には電子機械などの多くのパーツを使用しているので水の影響で壊れてしまいます。
さらに、泥などがパーツに詰まって故障の原因になったり、海水であれば錆などの原因にもなってしまいます。
水没車は修理にお金がかかる
「たかが室内にフロアに水が浸水したくらいで」と思うかも知れませんが、車の状態を元に戻すにはかなりのお金がかかってしまいます。
ですから、水没車の定義は「室内フロア以上に浸水した車」となっています。
水没車と判断してくれる機関
室内フロアに水が浸水したくらいで「水没車」と定義されるのは納得がいかないと言う人もいるかと思います。
その気持ちはわかります。
水没車と定義されてしまえば、中古車としての価格はほぼないに等しく売却もできません。
このように自分で考えても判断できない場合には車の状態を判断してくれる「日本自動車査定協会」という機関があります。
日本自動車査定協会
自動車のユーザーが中古車に対しての疑問や不安をなくすために、中古車の品質を査定したり、中古車価格の適正な査定が行われるように「中古自動車査定制度」を運用している機関が日本自動車査定協会です。
中古自動車査定制度は中古車の流通がスムーズに行われることを目的として活動しています。
中古車の査定について
日本自動車査定協会では査定協会専属の査定士を全国の52支所に配置していて依頼に応じて中古車の査定を行っています。
査定料は自動車の車種によって違いがあり普通自動車であれば1万円前後です。
査定が終われば査定証が発行されるので、それに記載されている査定額が取引価格の目安になります。
水没車か否かも判定してくれるので自分で判断するよりも第三者機関で認定してもらったうことで証明することができます。