自動車リサイクル法とは
自動車が廃車される際に自動車の所有者が果たす責任と自動車メーカーが果たす責任、その他自動車のリサイクルに関するルールを定めた法律です。
私たちが普段乗っている車は古くなってしまえば新しい車に乗り換えます。
故障しても修理して乗ればいいですが修理費用を考えると、新しい車を買いたくなるのが人間の性です。
新しい車に乗り換えるにあたって、古い車はどのように処分されているのか?
何かルールがあればそのルールに従って処分できますが何もルールがなければみんなが好き勝手に処分します。
結果、車の不法投棄による環境汚染や自然破壊に繋がってしまため、できたのが「自動車リサイクル法」です。
法律ができるまではどう処理していた
この法律が作られるまではリサイクル業者が車を引取り、車から金属と部品類に分類していました。
今でこそ車のリサイクル率は95%程ありますが以前は80%と今よりも15%も低いリサイクル率でした。
リサイクルできない残りの20%はゴミくずとして埋め立て処分されていましたが、埋めた処分場も確保できない状況に陥ります。
日本は車社会で年に400万台以上も廃車される状況ですからそうなりますよね。
埋め立ての処分費用が高騰すると車を処分しなければいけない処理事業者がリサイクルできないゴミくずを不法投棄することに繋がってしまいました。
このようなケースが日本全国で発生したため自動車リサイクル法と呼ばれる自動車の処分に関する法律(ルール)が定められました。
リサイクル料金は誰が払うの
車を廃車にするときには誰がリサイクル料金を支払うかですが、私たち車の所有者が支払うと法律で決められています。
自動車リサイクル法(使用済自動車の再資源化等に関する法律)第七十三条
支払うリサイクル料金は一律ではなく、自動車メーカーがそれぞれ決めています。
大体7,000円〜18,000円です。
例えばトヨタの車種であればプリウス ZVW50系だと11,350円、クラウンハイブリッド15,600円〜17,950円、ランドクルーザー14,930円〜18,660円とメーカーでも車の種類によって出るシュレッダーダストの量やエアバックの数、エアコンの装備によって値段が違います。
他のメーカーはというと、軽販売台数1位のホンダ NBOXのリサイクル料金はは9,960円、フィットハイブリッドは10,330円です。
日産であればエクストレイルが9,990円〜10,720円、エルグランドが15,610円〜15,960円になります。
値段を見てわかるように車体が大きい車や車体重量が重い車はリサイクル料金が高い傾向にあります。
リサイクル料金は何に使われているのか?
リサイクル料金は新車購入時に支払うとされていて、支払われたリサイクル料金は一度、「自動車リサイクル促進センター」に集められます。
それから、各自動車メーカーに支払われそのお金でフロンの破壊、エアバッグ、シュレッダーダストの処理やリサイクルに当てられています。
メーカーは自社で作った車のフロン、エアバッグ、シュレッダーダストを引き取り適正な処理をすることが法律で義務づけられています。
資金管理料金と情報管理料金も支払っている
リサイクル料金の大半は「シュレッダーダスト」「エアバッグ類」「フロン類」の3品目のリサイクルと処理に使われていますが、その他にも「資金管理料」という名目で所有者から徴収したリサイクル料金を管理するために290円の費用も支払っています。(リサイクル料金に含まれています。)
他にも「情報管理料」という名目で登録された自動車の情報を管理するために130円の費用も支払っています。
中古車を買ったときのリサイクル料金は?
リサイクル料金は新車購入時に所有者が支払っているので、その車を中古車として購入する2番目の所有者はリサイクル料金を支払わなくていいの?と思ってしまいます。
答えはNOでリサイクル料金は自動車の最後の持ち主が負担することになっています。
なんで最後の持ち主なの?と疑問に思いますが、法律では「自動車の所有者はリサイクル料金を再資源化等預託金として資金管理法人に対し預託しなければならない。」と定められています。
車を売却するときには前所有者が新しく所有者になる人に車を売りますよね。
車が売れると所有者が変わり新車のときの所有者は所有者ではなくなります。
それを廃車のときまでに繰り返していけば、廃車のときの所有者がリサイクル料金を負担することになります。
なので、個人売で車を売却するとときには買主にリサイクル料金をしっかりもらうようにして下さい。